しば漬けの熟成の様子~発酵の補助作業の風景~
8月上旬に漬け込みが終わったしば漬けたち。
ただいま、漬け蔵で静かにゆっくりと熟成中です。
樽に漬けたしば漬けの中身はもう触ることが出来ません。
あとは乳酸菌による自然な発酵熟成を待つばかりです。
でも、ひとつだけ。
時々様子を見て調整しなければいけない事。
それは重石加減の調整。
しば漬けを漬けている「四斗樽」の容量は72リッター。
単純に考えるとおよそ70kgほどの重さしか入りません。
そこに漬け込みの際、およそ125kgの原料を漬け込み少しずつ重石で
しっかりと漬け汁を出して漬け込んでゆきます。
↑
この状態でおよそ90kgくらいでしょうか。
まだまだ樽からはみ出ていますね(笑)。
色目はきれいに赤く染まっているので、乳酸菌が活性化している状態です。
少しずつ少しずつ・・・
しっかりと効いている重石により、余分な水分を出して最終的には60kgほどに。
そのあいだに、
重石がしっかりと効いて目減りするほどに、重石の重心がずれて斜めになる樽が出てきます。
また目減りする程に、しば漬けと樽の間で異物が入らないように遮蔽しているビニールが
たわんできます。
均等に重石がかからないと、中のしば漬けの熟成が均等にならない事。
また重石がかからず放置すると、品質の低下を招きます。
しば漬けの漬け込みのあくまで主役は乳酸菌。
しかしその環境をいかに整えてやるか、それが漬け込み後の当店の仕事。
少しずつ日々微調整を行なっていましたが、今日は朝から全ての樽の
重石加減の調整、ビニールの締め直しを行いました。
重石がしっかりと効いて全体的にずいぶんと下がってきたので、
これより先は比較的安定して重石がかかってくれます。
少しずつ熟成が進んでいるしば漬けたち。
今年も良い新漬けが漬けあがっていますので、是非御賞味くださいね!
※熟成が進んでいる過程をみながら、赤志ば新漬けの賞味期限を要冷蔵6日から10日へ伸ばしました(9月1日)。
※最終的には2ヶ月ほど熟成した10月上旬、新漬け→通常品(賞味期限30日)と移行します。
伝統のしば漬け、手造りの京漬物 ~京都大原 志ば久(しばきゅう)~ 久保 統
この投稿は 2013 年 9 月 1 日 日曜日 6:33 PM に 漬物造り カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。