しば漬けとは?
茄子・紫蘇に手塩を振り、樽の中で長期熟成させた自然乳酸発酵の京漬物。
赤紫蘇の香りと乳酸菌による酸味が特徴で「すぐき」、「千枚漬」と並び、京都の 三大漬物のひとつに称されています。
大原の里が「しば漬」の産地として名高いのは、大原盆地の昼夜の寒暖の差が大きく 香り豊かな良質の「紫蘇」を収穫出来ることが、しば漬造りにおいて欠かせない条件で あることがあげられます。
しば漬造りは紫蘇造り、志ば久ではこのように考えています。
志ば久で使用する紫蘇は、すべて自家栽培。
古くから伝わる紫蘇の種子を絶やすことなく今に伝え、しば漬造りの第一歩として
柔らかくて香り高い紫蘇を育てるよう努めております。
志ば久では古くからの伝統製法を守り、いまもなお手造りにこだわり毎年漬け込みを行なっています。また、おもてなしの心を忘れることなく、また多くの方に召し上がっていただきたいという“こころざし”から、当店ではしば漬を「志ば漬」 と呼んでおります。
しば漬けの漬け込み風景
※写真をクリックすると詳細と拡大写真がみれます。自家農園から刈り取った「紫蘇」は、漬け蔵に持ち帰りすぐに水洗いします。
漬け蔵から畑までクルマで5分の距離にあるので、新鮮な
状態で作業にかかることが出来るのは「志ば漬造り」に
とってとても大切なことです。
水々しく葉がシャキッとしています。
丁寧に洗浄した「紫蘇」は、表面についた余分な水分を
数時間切ったのち、手摘み作業を経て葉と枝に分けられます。
幹の下の古い葉(赤葉)などは取り除き、若々しい葉だけに
選別、熟練を要する作業となります。
この作業を行なうと、漬け蔵の中には爽やかな紫蘇の香りで
いっぱいになります。
手摘みした「紫蘇」、スライスした茄子、塩を加えて撹拌。
色目がきれいで適度に酸味の乗った「しば漬」を作るコツは、
紫蘇の出来栄えと新鮮さ、良質の茄子、手塩の振り加減。
このうちひとつでも欠けると良い漬けあがりになりません。
シンプルな漬物だからこそ、感覚での調整が必要とされる
緊張感の漂う作業です。
撹拌した原料を四斗樽に入れ、余分な水分を絞ります。
均一に原料を入れ、重石が傾かないよう注意しながら
しっかりとゆっくりと絞ることで、少しずつ「しば漬」と
熟成してゆきます。
熟成蔵に移した「しば漬」たち、ずいぶんと赤く染まってきま
した。
樽の中で「乳酸発酵」がすすんでいる証です。
紫蘇を惜しまずふんだんに入れることが出来るので、
着色料を
使わず、天然素材だけできれいに色付かせることが出来ます。
重石が傾いていないか、しっかりと効いているか、
日々確認しながら乳酸発酵による熟成はすすんでゆきます。
初夏からお盆の頃までに仕込んだしば漬たちは、
必要な分だけ袋詰めにして、一年間皆様の食卓にお届けいたします。